D Think Lab - Activities
6月2日火曜日
10:45 デザイン基礎最終発表 前半
リアルタイムコメントシステムが意外にいい。
なんとなく雰囲気がでてくる
以下、発表のコメントを簡単に行いたい。評価ではない。コメントが厳しくてもいい評価のプロジェクトもある。学会に応募するようにと個別に連絡があったチームが評価の高かったチームである。
S&T 出会いについて
expedge:コンセプト名
人と人をつなげるプロダクト
バッジ:購買情報を共有するバッジ
約束する経験
着る財布
会話はアナログ
秘密保持
ビデオ
説明に終始する
インタラクションデザイン、人とのタッチポイントがない
仕組みと全体
コンピュータシステムとインタラクションデザインの間に乖離がある。
ブルートゥース通信を行う。
稲見さん :ラブゲティ(Lovegetty)ははやらなかった。これはどうやって市場に導入するのか ?
稲蔭さん:実装はどの程度可能?
エイドリアン:ソシアルネットワークとの連携は?
学生の返事 購買履歴とリコメンドの方が意味がある
奥出:どこもわるくないけどよくない。アイデアが形になって人に使われるときに何か魔法が必要。そのジャンプをするのが創造性。
Sanfrecce
イメージでカクテルをつくるバーテンダーをフィールドワーク
コンセプト
思い出を入れて煮込む闇鍋Yammny
感情>>思い出をスパイスに
写真をいれて感情を生み出す
システム
iPhoneから思い出を振って入れる
スパイスメーカー 文字情報を日付で関連つけて思い出スパイスを作る
加速度センサーから思い出スパイスが闇鍋に送られる
調味料入れが鍋の裏にあって味が変わる
稲蔭さん:動いている?
実装は?
学生:出来そう
稲見さん:写真と味の関連付け 日付とメールで
奥出:とてもいい 味のデザインまで拡張すればとてもいい
エイドリアン:感情と味の関係について調べると面白い
おぢさん
ショコモン
デバイスを振る、のぞく
個人情報を入れて振る>>アイコンが出てきて目的を達することが出来る
ビデオ
町歩きのデバイスとして良くできている
デモ・プロトタイプ説明
カテゴリーと個別端末
OSCで同期している
エイドリアン
ARとソーシャルネットワークをむつびつけていてとてもいい
技術問題をどうするか、位置情報をどう手に入れるのか
稲見さん
達人を見つけるシステムに興味がある
奥出:今日プレゼンした最初のコンセプトで実装していく。よけいな機能をつけないこと。
黒猫喫茶
YOTTEI
ジェニーちゃん走ってくるプレゼン
時刻表 通算1000号 時刻表達人
路線情報をマルチで処理して教えてくれる達人
秘密兵器:ダイヤ図
150のアイデア、行動履歴
友人の予定や動きが線で動きとして共有できる
線で予測できる
ビデオ
面白い
エイドリアン:プレゼンテーション、ビデオはいいが、ほかのものにアイデアが似ているプレゼン。人の動きをトラックしてメールする、というのはアイデアとしては平凡ではないか。もっとビッグアイデアがほしい。
奥出 デジタル時代の都市性をどう考えるか。ヴァルター・ベンヤミンが『パサージュ論』などでボードレールを例にして遊歩者(フラヌール)の考え方を近代都市分析に利用した。だがそれは19世紀20世紀の話だ。21世紀における新しい都市生は?昨年この授業からでてきたプロトタイプ「フラヌール」の先をこのプロジェクトには見たいところです。
スイリ
本気の繋がり
最近の名刺
デジタル名刺
自分にマッチするひとからだけ届く名刺
類とも郵便
QRコードの名刺 フリースペースに手書きで
まちのポストに投函、QRコードをスキャンする
似た人に郵便が届く
身近な不特定の相手と連絡が取れる
あたりまえの自然さ
身体性
コンセプトプルーフ
ビデオ
稲蔭さん:個人情報は?
奥出:大きな社会をにらんでデザインする。銀行の前とかにおいたらどうなるのか?
エイドリアン:ポストの意味は?
奥出:全体的に身体性への注目が足りない。たとえば掲示板では、紙のコミュニケーションで人を集めている。そこかつなげている空間になる。
Kany
かならず相席にされるお店にフィールドワーク
ストラップに張るアイコン150個。ランダムに配る
人と交換して理想的なストラップを作る
アイスブレークゲーム
コンセプトプルーフ
実際におこなった映像
どのようにプルーフするか
経験はどこにあるか
リデザインへ
稲見さん:カード交換の結果は?
行動観察はしましたか?
奥出:ゲームをデザインするとはゲームプレイをデザインすると言うこと。ゲームの表示部分はゲームグラフィックスと行って、ゲームのインタラクションの仕組みはゲームメカニクスという。ゲームをして得る経験をゲームプレイという。ゲームプレイはゲームを行うという行為の中にしかない。そこをデザインすることが必要。それを行わないと、面白そうな現象をゲームへとデザインすることは出来ない。
owl
運動を継続させてくれるカレンダー
デザイン面白い
自分の運動頻度と努力を視覚化してくれる装置
動きで感情表現
システム
通信モジュール
オプション
エモーショナル表現
身に付けるところを楽しくする
エイドリアン
ロボットがよくデザインされている
良くできている
奥出 感情デザインまで踏み込んでいて良い
Try angle
稲見さん: 猫なのにナビゲーションだけだと寂しい
エイドリアン アイデアをおもいついたらライフスパンを考えよう。図書館の時代はおわっているのでは?本は変わっていくのでは?
奥出: アイデアの寄せ集めではコンセプトにならない。なんどもなんども繰り返して全体を感じることが出来るまで頑張ってみよう
3lab
作り置きを有効活用する>>ビジョン
場所に依存したいお弁当>>プロトタイプ
お弁当箱とパソコンをつなげる
稲蔭:類似製品のリサーチは?
お弁当をあたためる
イデオ
トレーニングメイト
一人でトレーニングするのはつらい
エイドリアン:おもしろくなったかもしれないけど、つまらなかった。なにが悪いのか。
13:00 修士論文
論文ワークショップも大分進んできた。夏休み前までの流れをまとめておく。
スティーラーズ#1徴候である1)文章をかくということ
誰に向けて書くのか
2)参考文献の作り方
Working Bibliographyをつくる
3)クリティカルリーディング
論文の読み方とパラフレーズの方法
アリストテレス型修辞学の基本
4)5パラグラフエッセイ
4−1:トッピックセンテンスのつくりかた
来週からは
4−2 unityとアウトラインの作り方
4−3 coherenceと論述構造の作り方
4−4 エッセイの完成
夏休み前までに修士論文で何を書きたいかをまとめて5パラグラフのエッセイにすることが課題。
15:00 Flex検討ミーティング
開発戦略チャートをつくる。修士二年生の奥野くんと高荷くんをリーダとして、他13名がワークショップに参加。インタラクティブコンテンツを作るときに大きな障害になるのはデザイナーのアイデアをプログラマーやエンジニアに伝えるところである。デジタルアーチストと呼ばれる人たちはその両方を行えるのだが、なかなかその両方を身に付けることは難しい。とくにKMD流と僕が呼んでいる考え方は、いろいろやるけどそれぞれプロフェッショナル、ということが基本である。したがってコラボレーションが必要になるが、お互いが同じ開発環境にいないとこれボレーションは非常に難しい。5月30日に公開されたFlex4とFlashCatalystはこの間のギャップを埋めるものだ。イラストレーターでイメージを作り、ある程度のインタラクシ ョンをデザイナーがおこない、それからプログラマーに渡して、サーバーと連関させていく。この流れをつくるために、Illustrator4.0、Catalyst 、Flex4.0の講習会を行うことにした。くわえて、インタラクションはグラフィックスだけではないのでほかのインタラクションの仕組みもFlexに入れる方法、さらにFlexとサーバーをつなげる方法などを教えることにした。2名ずつのチームに分けて、アジャイル開発方式の一つであるXP方式でユーザーインターフェイスをつくり、2週間に1回ずつ発表して競い合う形とした。
6月3日 水曜日
18:00 CHE説明会
Creative Home Economics Project についての説明会をおこなった。20世紀は衣食住を工業プロダクトにする歴史だった。現在でこそ批判されているが、20世紀の初頭の普通の人々の生活を取り囲む衣食住環境を考えてみると、工業プロダクトシステムに衣食住環境をゆだねた功績は大きい。だが21世紀になって工場生産システムの弊害が出てきた。
Creative Home Economics (CHE)とは、直訳すると「クリエイティブな家政学」であり、21世紀におけるあたらしい衣・食・住のあり方を定義するリアルプロジェクトである。 いまの衣食住は工業生産システムと消費をあおるマスメディアシステムにがんじがらめになっている。
さて、何処から手をつけるかである。この説明会の時にはまだはっきりとしていなかったのだが、やはりデザインからこの問題を考えるべきだろう。理論、技術、実践のすべての面からデザイン的なイノベーションを行う。デザインへの批評も必要だ。またマルチ・ディシプリナリーでなくてはいけない。30年以上まえにインターディシプリナリーという言葉があったが、現在はマルチ・ディシプリナリーという言葉を使う。これは領域の異なる人が一緒に時間をかけて活動をするなかで何かを生み出そうとする試みだ。従来デザイン、エンジニアリング、と分かれていたがその領域をこえたところで具体的なプロジェクトを行うべきだろう。
基本的には先端的な技術を活用して社会的かつ文化的に重要な問題に挑戦するべきである。新しいデジタル技術のみならず、新しい素材、工作手法、建築手法、を積極的に取り入れて、さらに都市からナノ空間までをデザインの対象とする。また新しいマネージメント手法や競争戦略の方法なども積極的にプロジェクトの実践の中に取り込んでいくべきだろう。
またグローバルな規模で問題を考えて行かなくてはいけない。工場生産システムは安価な労働力をもとめてグローバル化したが、そうではなくて地球規模でのコラボレーションをもとめてグローバル化していくことが好ましい。また重要な問題に関しては徹底的に議論をするべきだろう。
デザインとは具体的な人間のニーズに対して、様々な方法で解決策を提供する方法であり、人々のコンテキストを理解するだけではなく、創造的戦略的にその問題を解く力を持つ。また技術の価値を一気に高めることもデザインの能力である。創造産業を育成していくためには不可欠なのがデザインである。
こう考えると、現在行っているアーバンメディアグループを加えて、デザインを全面的に出していくプロジェクトをひとつのグループとしてくくることも考えたい。いまも実際にグループにはなっているが、狭い意味でのデザインへの関与が弱い。というかちょっと遠慮しているところがあったのだが、エンジニアリングと共にデザインの実践も前面に出していく。
技術のワークショップにくわえて、デザインのワークショップも充実させて問題に取り組んでみたい。
さて、家庭科は従来衣食住をあつかう領域であった。現在注目しているのは衣服においては、個々人の要求に合わせて服を作る仕組みの開発である。Smart Customizationと言われている領域だが結構奥は深い。アパレル産業は非常に完成された大量生産とマス広告が組み合わさった領域で、ここに挑戦することはなかなか難しいが大切な分野である。ユニクロ・H&Mに代表されるファストファッション化の 流れは、大量生産・大量消費時代のある意味での完成系で ある。では21世紀はどうなるのか、ここに取り組んでいきたい。
食はファーストフードやファミリーレストラン、果てはホテルの食事から飛行機の機内食まで、セントラルキッチンと冷凍と解凍の世界である。ここをどのように変えていくか、に関していろいろと研究をしている。これはキッチンでの人間の行動や料理という複雑なプロセスにどのようにエンジニアリングが関係しているかというなかなかのフロンティアなのだ。何回かこのBlogでも書いているが、今年の9月のCrestで発表する。
トップO朝そして最後がHousingである。ここは家電のデザインも含め20世紀デザインへの挑戦の拠点となる気がする。食も衣も工業生産システムからうけた傷が比較的浅いといえる。だが住まいと家電はそもそも工業生産システムがなければ成立しなかったものなのだ。僕の博士論文は大工さんの工法と空間デザインの分析である。ヴァナキュラーアーキテクチャーと言って、建築家ではない人でもすばらしい住まいを建てている(あたりまえだけど)ので、その方法を分析するという研究分野である。そのときに勉強した住宅史をまとめて書籍にしたのが『アメリカンホームの文化史』である。この本は僕の最初の本と言うこともあって新聞や多くの雑誌で取り上げてもらった。建築家こそこの本を書くべきだったとい� �過分のおほめをいただいたりした。この本がきっかけとなって実際に建物や都市の基本構想などをするようになった。次に書いたのが『トランスナショナルアメリカ』という本でこれは家電とか自動車といったアメリカ的プロダクトの歴史的な発生の背景を書いたものである。工場生産とか大量生産とか言うと人間性がないとか職人の魂がないとか表層的に批評をするが、実際は工場生産様式によって人々の生活の水準の底上げがなされ、ブルジョアジーしか所有できなかったマイホームを持つことが出来た。こうした幸せ感は日本でも同じだろう。ここを否定したり、マスプロダクション製品の趣味の悪さをあげつらっても僕は意味がないと思っている。
問題はこうした製品を受け入れていた社会の仕組みが変わっていったことにある。生産設備は安い労働力をもとめて海外に散り、ものの運搬はコンテナ船の導入で一気に合理化された。いくらでも安くモノが作れるようになり、大量消費が止まらなくなり、社会や環境が壊れ始めた。近代社会の豊かさと民主主義をささえてきた工場生産のシステムがほころびてきたのだ。最近のGMの崩壊はその意味で実に象徴的である。
さて、工作機械という言葉を知っているだろうか。工業システムでプロダクトをつくるための機械のことである。トヨタの大野耐一氏が、アメリカにわたって、まだ経済基盤の脆弱だったトヨタのために高価なグリーソンというギアを作る工作機械を買って帰るエピソードがある。(詳しくは
工作機械の制御にコンピュータを持ち込むというのがメカトロである。日本の70年代の圧倒的な生産力はメカトロの発達に大きく依存している。このことはこのBlogでも前に書いた。メカトロとは機械制御にコンピュータを持ち込んだ仕組みである。このメカトロ工作機械の価格が急激に下がり始めたのである。そして、さらにKMDで積極的に使い方を教えていきたい3次元プリンターやレーザーカッターという今までにない工作機械が登場してきた。大量生産・大量消費の時代からパーソナルファブリケーションの時代へ とプロダクトの生産の仕組みが変化してきているのだ。プロダクトデザインに代表される工場生産システムに依存したものづくりの技術は、大量生産・大量消費の時代を経て、メカトロの登場で、少量多種類の生産が可能になり、さらには作り手が利用者であるような「パーソナル ファブリケーションの時代」を迎えようとしている。
MITのメディアラボの教授であるニール・ガーシェンフェルド が『ものづくり革命 -パーソナル・ ファブリケーションの夜明け』で示して見せた新しい生産様式の変化は電子部品にも及ぼうとしている。 Tom IgoeはPhysical Computing と Making Things Talkで電子部品ですら利用者が自分で作れることを示した。ちなみにKMDでも自分で電子部品をつくることが出来る工房を用意している。
ソフトウェアの世界ではオープンソフトウェアの動きとしてこの流れはすでに始まっている。iPhoneをプラットフォームとして自分で作ったアプリケーションを世界に流通させることも出来る。これを衣食住の分野に拡大してみたい。
今回特に考えているのはオープンソースファニチャーというプロジェクトである。コンピュータベースで設計した家具のパーツをレーザー加工機で切り出し、組み立てる。ここまでくると技術の進歩が新しい活動領域をデザイナーに提供していることがわかる。21世紀デザインの実践をする のは「今」なのだ。
6月4日 木曜日
9:00 メディアデザイン基礎最終発表
ダイチェンジ
分析はいい。
ジャンプがない。
idea note
コンセプトは普通になってしまった。
デザイン、インタラクションデザインはどこにあるか?
横にするとキーボード
ミーティングツール:ホワイトボードになる
プロトタイプを作って考える>>ブレークスルーが生まれる
ある程度以上のクオリティをデザインに与えるためにはプロトタイプを作る技術を身に付けることが必要
Vespa
協生館のチャイルドセンターを調査
落ち込んだ気持ちをしめすぬいぐるみ
センチメント
気分の視覚化
デザインの難しさ
インタラクションの中に感情はあるはず>>デカルトと現象学の違いだ。
このチームはメンバーの一人がフランス人留学生。日本語が達者で4月生だが、基本的なところがフランス的で非常に面白い。前回その指摘をしたらプレゼンの始めにデカルトが引用してあった。ここは難しいところだが、僕の好みというかパラダイムが現象学的設計論であるので、なかなかこのあたり判断に迷う。インタラクションが先か、形が先か、ということなのだが。
Why-Why-Why
待ち合わせに遅れたらプレゼントを相手に渡す>>時計売りの達人をフィールドワークした。3つ以上時計を出さないという。
サプライズをコンセプトにした。ここは面白い。だたそれをどう証明するか。デザインはここを超えると一流になる。つまりコンセプトによるプロトタイプを使ってみて、本当にサプライズが起きなくてはいけない。
よくすること
ほんものをもとめて>>活字職人を調査。フォントがすごい
「本物のサービス」は相手のことを引き出す。
サービスのデザインを見つけたのはいいが、コンセプトをデザインしていくためにゴールが必要である。そのゴールは何か?
ヨシムタ班
夢を実現する達人をフィールドワーク下。
カリスマ転職コンサルタントのコミュニケーションに注目して個人が暮らす部屋と部屋をつなぐことで夢が可能になる仕組みを開発。夢が育つ感じを木で表現した。二人で話し合いながら木を育てていく。これは面白いが、2人ではなく3人から5人の社会的なグループで同じことは出来ないか?そうするとかなり面白いはず。
岸団B
1926銀のドルの価値は何ですか待ち時間を積極的に楽しむことに注目して美容院の過ごし方の分析をした。とてもよくできていて美容院のビデオも面白い。だがコンセプトが弱い。美容院の鏡をつかったインタラクションであるが、コンセプトが強烈すぎて(つまりインタラクションデザインでは定番で)ゴール設定が弱くなる。ここを何度も検討すると、デザインする対象が鏡画面でなくなる(というか鏡インターフェイスにさらに何かが加わってくる。)まあこのあたりは上級レベルのデザインテクニックだが。
船橋
異性の考え方を理解するべきということでナンパ師を本当に調査した。感情が目に見えるブレスレットを提案。ビデオプロトタイプの会話が面白い。これは前のチームと同じで、テーマとフィールドワークのレベルが高いからと言ってデザインは出来ない。異性とのコミュニケーションのきっかけを作ってくれるメディアをつくるとしたら、何がポイントになるのか?Lovegettyが売れはしたが(180万個)普及しなかったのは、これを発案した人のナンパ師的ライフスタイルが社会性を持たなかったことにあると思っている。可愛いと思っている相手をデートに誘う。この問題をどれだけきちんと議論できるか、ここがないとゴールのあるインタラクションデザインは出来ないのだ。難しところだ。
LastSamurai
ゲームを実装。離れたお手洗いを二つつないで、トイレットペーパーを引き出すスピードで相手の写真がもらえるかどうかが決まる。かなり面白いし、ちからわざで実装しているところも面白い。日本のトイレは「おしりだって洗ってほしい」という強烈なメッセージでいままでネガティブなイメージがあった場所を、コマーシャルでは女の子のかわいいおしりを上品にみせて、一気に清潔で快適な場所でなくてはいけないと転換した。TOTOという会社が始めて、その後他のメーカーも追従した。これは非常に「ガラパゴス」的現象である。だいたい、アメリカやヨーロッパではプライベート空間ではトイレはバスルームの一部だ。公共空間のトイレもちょっと我々からすると異様なデザイン。というわけで、実に日本的なトイレ空� �をつかったゲーム。
いの部
ロケーションサーチをフィッシングゲームにしたもの。デジタルの都市性を考慮したデザインとして、とてもレベルが高い
岸団A
金銭感覚育成ゲームをつくる。日用品と贅沢品の使い分け。RPGゲームの形になっていた。
13:00 医療ミーティング
コミュニケーションの方法を巡っての議論。いまベッドサイドにおく端末や開業医のオフィスに置く端末をデザインしている。病院を観察していると医療行為のまわりにさまざまな情報環境があることがわかる。プリペイドのテレビなどはなかなかいいビジネスになっているようにおもう。また子供が病気になり回復期にはいると、ずっとビデオ、いまならDVDか、を見ている。身体が動くようになると見なくなる。それだけではなく、医療情報に我々が日常世界でどのように接するのか、このあたりを考慮したデザインがないことが非常に問題。あるいはすこし視点を変えると、心電図がある。手術室で心電図のモニターを医師は見ているわけではない。問題があるときだけ見る。普段はおちついた音がリズムを刻んでいる。問題が� ��ると音が変わる。そのときに初めて医師はモニターに注目する。
脱病院にともない、多くの医療機器の再デザインの必要が言われている。日常生活に病院型デザインを持ち込むのはもちろん問題だが、いまの我々の日常生活の中にそのままとけ込ませる、つまりはユビキタスコンピューティングのまま持ち込むのも問題だ。あたらしいコミュニケーションのデバイスが、我々の日常生活を変えて、我々も変わって行かなくてはいけない。バイタルセンサーで人間を計測するという行為の社会的な意味、およびそのデータをどう使うかによるコミュニケーションの意味の変化、ここをきちんと考え抜く力がいま学生に求められている。なかなか本格的なところに踏み込み始めた。
15:00 教育メディア開発プロジェクトミーティング
小学3年生4年生の社会を対象に今年はプロトタイプを作ることに決定。
学力の評価は社会のあり方と深く関係する。たとえば、移民が同化しているかとか、国を運営するためのエリートを全国レベルで選抜するかとかだ。社会全体のクオリティアップを目指す教育体制とその実践を支援するための評価、という視点を持ちたい。何を持って学力とするかはどのような社会にしたいのかと本質的に関わってくる。それを考えるとどのような人をこれからの社会は必要とするかが、評価問題とかかわる。このあたりを明らかにしたい。
16:30 新規リアルプロジェクト プレゼンテーション
KMDでは学生がリアルプロジェクトを提案することが出来る。だが、そのためにはアイデアを提示する以上のことが必要である。アイデアをプロトタイプとして提示できていなくてはいけない。アイデアと実装は別のものであり、それぞれに評価されるべきだと多くの学生は考えている。社会の普通の考えもそうだ。だが、アイデアをまずプロトタイプして評価するということを覚えなくてはいけない。何かを思いついたらそれを関係者に話して賛同するか聞く。これも立派なプロトタイプだ。賛同してくれればプロジェクトは始まるし、賛同してくれなければ賛同してくれる人をさらに探す。またアイデアを簡単なコンセプトにして実際に作ってみる。あまり良くないなあ、とたいていの場合は思う。そして修正が始まる。その作業で アイデアは変わっていく。何度もこの作業を繰り返すことでデザインが決まってくる。コンセプトが実体性を帯びてきたとき、そのプロジェクトを提案すれば学生主導のリアルプロジェクトとして認める。アイデアとかやる気だけではだめなのだ。やりたいことがあれば、どこかにたプロジェクトに入って、サブプロジェクトとして練って、どうしても自分でやりたいとなればその能力があることをプレゼンテーションする。学生主体のリアルプロジェクトの基本的考え方はここである。
6月5日 金曜日
IHTの記事に興味深いものがあった。台湾には多くの製造メーカーがある。Asus, Acer, Foxcomなどだ。NetbookやiPhoneが売れてこうした会社は利益を得た。有名メーカーのOEMを作っているからだ。だが、最近こうした会社が自前のプロダクトを作り始めた。ソフトウェアにも投資をしている。自分で最終プロダクトを定義しないOEM会社は利益率が低いので、ここを脱却しようと試みているという。ファブレスで大きくなってきたアメリカの会社に対抗する方法を模索し始めたのだ。
では、日本の大企業メーカーはどこにいくのか。ものつくりの力もなければ、プロダクトを定義してソフトウェアとしてコアを固める方法も行わない。実質はマーケティングと広告だけの会社になっている。自社で作る力がないので戦略的なコアをつくれないのだ。ここを変えないと将来はない。一方、多くの日本の中小企業はいってみればOEMメーカー状態なので、まだましだろう。戦略的な商品定義力、つまりはデザイン力をもてばかなりの可能性がある。台湾メーカーの動きに注目すると同時に、あたらしい産業の可能性を日本の社会にも見つけていきたいもんだ。
10:30 創造的ホームエコノミックス
稲見さん、杉本さんを交えてミーティング。
第1ステップ:調査を行う
インタラクションデザインをするにあたって、まず民族誌的調査を行う。たとえば料理なら料理の達人の行動を観察する。そこからモデリングを行う。だがこれは観察のモデリングだ。
第2ステップ インタラクションデザインをする
それとは別に、何をつくるかの目的を明確にする。この目的を明確に定義することで、デザインの方向性が決まる。ここが実は非常に難しいところで、観察をしてもアプリケーションの目的が定義されないといけない。この目的の定義がインタラクションデザインのエッセンスである。ユーザー指向デザインというが、実はそれでは曖昧すぎる。ユーザーの目的まで定義する必要がある。現在の創造的ホームエコノミックスプロジェクトの目的を明らかにするにはまだ早い。9月のCrestの展示会では発表するので、それまで伏せておく。いずれにせよ、これを目的指向型プロダクトおよびサービスデザイン(Goal-Directed Product and Service Design)と言う。Kim GoodwinはDesigning for the Digital Ageでデジタルカメラのデザイン開発においてケイト・ベネットというペルソナを立てて、彼女の行動の目的を1)自分が心の目で見たとおりにイメージを捕まえることが出来る、2)風景を楽しむことが出来る、3)「本物(プロ)」の写真家のような気分がするカメラがほしいという目的を立てている。僕の方法論でいるところのビジョンだ。
第3ステップ
環境の計測と機能実現の技術の洗い出しをする。
第4ステップ
詳細デザインをする。
2:00 魚住君来協生館
SFCの博士課程の学生で博士論文の副査をしている魚住勇太君が協生館を訪問。コンピュータ音楽の研究者であると共にJazzミュージシャンで、Samurai Jazz QuintetあらためSJQを率いている。AnimacyというCDが5月20日に発売されたばかりだ。発売元はWWW.CubicMusic.com。
コンピュータの中にあるエージェントとインタラクションしたり、エージェント同士がぶつかって音を作ったりする。もしろいのはエージェントが自立的に動き回って音を出しているうちに、ビートが生まれてくることである。我々の身体のポップな感覚がコンピュータによる自動生成のビートとインタラクションする。なかなか。
2:45 アーバンメディア
4:30 トイミーティング
Title: A Computational Tangible Design Process
Speaker: Greg Saul
Speaker Affiliation: Victoria University of Wellington
Host: Masahiko INAMI
Date: 6-5-2009
Time: 16:30 - 17:15
Location: C3S02, 3th floor
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これはなかなか面白い話だった。メディアデザイン基礎でスケッチングの概念を普通に素描することから粘土やボール紙でのプロトタイプ、CGのモデルを3次元プリンターに送ること、レーザーカッターで加工して組み立てること、そして、実際に電子工作でつまりハードウェアでスケッチするところまでを学生に勉強してもらったが、それをもっと延長して、ハードウェアから素材までをコンピュータによって加工して新しいデザインの原理を探ろうという試みの話だ。これは非常に大切であり、いま僕が一番興味をもっている新しいデザインの確立とも関係する。
いまデザインの専門教育は美術大学で行われているが、基本は20世紀産業システムのなかでのデザイン技法である。バウハウスによって始められたこの教育体制は広く世界に普及した。そもそもインダストリアルデザインの名前が示すとおり、大量生産のための金型をデザインするのが仕事であり、グラフィックデザイナーは広告をつくることが仕事であった。そのための専門家をデザイン教育の名前で育成してきたのである。
CHEの説明のところでも述べたがいまその基本が変わろうとしている。21世紀の生産システムを担うであろうあたらしい工作機械が登場してきており、またそれが置かれる場所が工場から我々の日常世界に身近な環境へと移動してきている。この流れが19世紀半ばから続いてきた産業資本主義を間違いなく変えていく。
さて、こうした流れの中でコンピューテーションによる新しいデザイン原理を探る試みは非常に興味深い。いままでのCGやCADはコンピュータを使っているとはいえ、20世紀の生産設備の自動化、合理化の流れであった。だが我々の身の回りのものや環境をコンピュータの支援で作り上げていく動きは社会を根本から変える。
彼はいくつかのデザイン原理の実験のデモをした。なかでもオリジナリティがあったのはコンピュータ上でつくった形を展開図にしてレーザーカッターで切り出して物理的な形にしていく方法で、コンセプトを紙でプロトタイプをして検証をしていく手法だ。紙で作ったロボットも面白かった。また展開図はポリゴンを使わずに頂点だけを操作すればいいのでいろいろな形の実験が出来る点もすばらしかった。
新しいデザインの試みが始まったところだなあと感心した。
18:00 SUGMプロジェクト
「新しいメディア」プロジェクトの正式名がSUGMプロジェクトとなった。今回は学生が企画書を提案。企画書の書き方についての議論となる。一緒に研究している会社がこの道のプロなので面白い議論になった。最初にコンセプトをプレゼンして、それからなぜこれが必要かの流れを作ろう。相手に伝える順番ストーリーでプレゼンを行うことと、表紙の作り方を考えましょうというコメントをもらう。コンセプトは面白い。またUGMでコミュニティを作るという提案も、日本では意外にUGMが伸びていないので面白い。UGMのコミュニティが公共空間のデジタルサイネージに出て行くというのはかなり意味がある。
20:00 SUGMプロジェクト懇親会 HUB
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